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ミトコンドリア遺伝子は、母系からしか受け継がれないんだよ、まじ!

2020年10月10日

 

 ねえねえ、お母さん。

 ミトコンドリア(M)って知ってる?

 人間の細胞は60兆個といわれているけど、Mは1つの細胞に300個以上いてね、実は全体重の1割を占める。

 面白いのがね。Mは独自の遺伝子を持ってるんだ。

 しかもね、父のMの性質は受精卵の段階で全部消滅しちゃって、なぜか母方からしか伝わらないんだよね。

 実はさ、Mはもともと細菌だった。20億年前に生物の細胞内に寄生して、遺伝子を同化させずに、そのまま一緒に進化したんだ。

 すごいのがね。その時以来、生物はその細菌の性質として、酸素を使えるようになったということ。

 今も酸素はもっぱらMが必要とする。呼吸中の酸素の実に90%までがMによって消費されるんだって。

 その、Mの役割ってなんだろう?

 いろいろあるんだけどね。体重の1割もあるMは、1個1個の細胞を動かす「発電所」みたいな役割なんだって。「生命力」って、Mの発電能力のことなのかもね。

 でね。人間はね、自分の体が家だとすると、「自分」の他に、まったく別の遺伝子を持つMと同居しているわけだよね。

 人ってさ、同居のペットには話しかけるじゃん?

 ならね、一心同体だけど全然違う遺伝子のMを知ってからボクはね、Mに話しかけるようにしてるんだ。自分だけど自分じゃない存在に。

 「今日の発電状況は?」とか、「深い呼吸いる?」とか。犬は吠えたりしっぽを振るけど、ボクの体調がMの返答ってわけ。

 ねえってば、お母さん、聞いてる?

 Mは違うけど、結局さ、遺伝子の半分は俺。

 小5くらいで半端なウンチクを母ならず彼女にまで語り始めて嫌われ、しょうもない妄想がクセになるであろう君。

 たとえば、「直感」とか「ひらめき」とか、意識しないことを突然、感じることがあるじゃない?

 あれってもしかして、Mのささやきなのかもね。

 だからさ、女のカンが鋭いのはね。もしかしたら、Mが女からしか伝わらないことと、何か関係があるのかもしれないよ。

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