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2020年6月1日

 

 物質が化学反応を起こして変化しても、それは原子が構成を変えただけ。もとの原子を集めると、反応前と質量は変わっていないんだって。

 でさ、時間を巻き戻してみるでしょ。

 ヒトがサルだった頃、哺乳類が魚類だったころ、生物が単細胞だった頃、地球ができた頃、太陽系ができた頃、天の川銀河ができた頃...ずーっとずーっと。

 質量はエネルギーであり、エネルギーは質量なら、全宇宙にある質量とエネルギーは、化学反応を起こして形は変えても、その全体量は最初から同じなのかな。

 たとえばさ、赤ちゃんの時から、大人と同じ重さだったってこと?すごい密度。おかあさんも大変だったよね。

 宇宙が生後からずっと膨張しているのであれば、最初は1個の小さなたねに、ぼくの細胞にもなる宇宙のもとが詰まっていたのかな。

 で、なにもないところに空間ができて、時間がはじまって、エネルギーと一緒に原子のカケラが散らばっていったのかな。

 でもさ。

 「時間も空間もなにもない」って、どういうことなんだろうね?それに宇宙のたねは、そこにどうやって表れたんだろうね?

・・・

 たぶん、瞳に星々を宿して、そう問いかけてくるかもしれない、2歳の息子よ。

 君はいずれ、同じ疑問にぶつかった物理学者やSF作家の本に出会うだろう。いろいろ調べてみてくれ。で、大きくなったらそれを肴に一杯やろうじゃないの。

 おとうさんは、君のうちに芽生えているであろう宇宙のたねを、大切にしたい。

 お誕生日、おめでとう。

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