大切な蒸らし

 子供が泣いてもふたは開けるな、という格言があります。

 

 「おなか減ったー!」と駄々をこねても、まあまあ待ちなさい、という大人の貫禄を見せろということなのでしょう。

 

 ことば通り、ごはんは「炊けた」と思っても、すぐに食べない方がいいです。

 

 保温状態に変わってすぐふたを開けても、水分がお米全体を覆う形で表面に残っていて、米粒がまだしっかりごはんの形になっていません。

 

 そういう状態で食べてしまうと、べちゃべちゃしているうえに猫舌の人にはかなり熱い。

 

 さらに、なぜかお米の甘みも十分に引き出されないまま、妙に水っぽいたんぱくな味がする。

 

 しっかり蒸らさないと、「甘みと食感」というお米のポテンシャルが、十分に発揮されないのです。

 

 せっかくいいお米を炊飯しても、高級ディスカウントストアの古米と、ちがいがよくわからない食味・食感になってしまいます。

 

 高価なハイテクジャーだと、蒸らしまで全部終わってから、つまりジャーが

 

 「今が一番の食べごろ」

 

と判断してから「炊飯終了」のベルが鳴るかもしれませんし、保温中も水蒸気が出て、いつでも炊き立てを維持してくれるかもしれません。

 

 しかし、1.5~3万円程度の売れ筋のジャーはそうではありません。

 

 私の感覚だと、保温状態に切り替わってから、15分待つのがベストだと思います。10分ではちょっと早いかもしれません。

 

 だから、食べごろまでやっぱり45分以上はかかります。

 

 しかし、現代の日本人はどんどんせっかちになってきて、簡単で便利で、しかも安いものばかりが消費者の心をつかむ。

 

 最近の若者、特に若い独身女性ほど外食やダイエットでどんどん料理をしなくなっているといいます。 

 一方で、自炊してきたであろう高齢者さえ、面倒がってコンビニの一食サイズの総菜ばかり買うともいいます。

 

 なんでそんなに余裕がないのか。本を読んだり時間をかけて炊飯する人も激減し、日本ではチンするだけの1食パック米の売り上げがどんどん伸びている。

 

 本と料理の好きな、昭和な秋田顔の米屋からしたら、なんとも嘆かわしい。

 

 私自身、料理好きなせいか、いい食材がほしい。

 

 店の品ぞろえも、ソコソコで安くて見栄えのいいパッケージで、それでいて名前だけは「プレミア・最高級」みたいな、自分で食べたくないようなシロモノは、やっぱりいやだ。

 

 そういうこだわりの店も必要だと思いますし、みんながみんな、「安くてソコソコ」という人ばかりではない。パレートの法則からいえば、2割くらいは、

 

 「ちょっと高くてもちゃんとしたものがいい」

 

という、店からも大事にされる人たちが、どの業界のお客さんにもいるのだから。

 

 つまらない愚痴はこの辺にして、「料理に強火はいらない」といいますが、ごはんも炊けてから15分はふたをそのままにしておきましょう。

 

 せっかち時代の潮流を遡上しておりますが、なにごとも焦らず待つことが肝心。

 

1.お米は冷蔵庫保管

2.じっくり蒸らす

 

 配達後、この2点さえご自宅で気を付けていただければ、稲造米をいつでも美味しくお召し上がりいただけると確信します。