社長なんだから、大言壮語もある意味必要だなと思いかけている。大きすぎるビジョンといってもいいのか。
日本の日本人なら絶対食べないようなものを使ってる一方、プレミア感を出すイメージ優先の商法なのに、「我々は日本のお米で世界一を目指す」とかいってる会社がいくつかある。
古米や古古米、あるいはエサ米に近い多収品種だからこそ日本より安く提供できているのに、それを正直にいわずに激安販売しているところもある。
そんな嘘八百の「ジャパンクオリティー」をうたって恥ずかしくないのかと突っ込みたくもなる。
が、購買者がその値段ならそれでいいと納得して購入しているのだから仕方ない。知らないだけだと思うけど。
だがしかし、馬鹿正直に商売しているうちよりもはるかに、マーケティングが上手なのだ。それを市場のニーズととらえているのだから。
大企業の社員+MBAとか出てるコンサル+古米処理用の政府補助金(農水省)がコンペティター。
さてさて、稲造ぼっちでどうしましょうかと、梅干し大の脳みそで考える毎日。
新渡戸先生、新島先生、クラーク先生、あと、最近好きになってきたマーク=トゥエイン先生。先生たちのような、泰然自若たる精神を得るにはどうしたらいいのでしょうか。
なりふり構わぬ競争相手を見ていると、何が「正直な商売」なのかわからなくなってくる。
さて、私が大言壮語するとすれば...。
お米は毎日食べる主食なのだし、水と同じで、できるだけ品質のいいものを摂取した方がいい。低農薬で安心でき、さらに栄養価も高い方がいいに決まっている。
最近長男が生まれた私も特に敏感になっているのだが、将来にわたって影響の出やすい子ども、妊婦さん、そして母乳中のお母さんならなおさら。
シンガポールで一番美味しいのは当たり前。そういう品質管理をしているのだから。
そりゃ、農薬・化学肥料無制限の古米や古古米に比べたら、低農薬米の当年産は当然高いよ、やっぱり。同じ値段だったら嘘になるし、そもそも会社がつぶれちゃう。。
まして、品質命で冷蔵コンテナ代にも、冷温保管にもすごい経費がかかる。
でも、そういうことを全部納得してくれる、私個人と同じような考え方のお客さんは、潜在的にたくさんいる。
そんなありがたいお客さん向けのマーケティングを、地道に継続していくしかかない。
毎日食べたら健康増進にさえつながるような高品質米で、シンガポールで一番安心できる日本米を提供する会社になる。
つまりは、食べてくれるお客さんの幸福と健康に貢献する。
お客さんの食卓が笑顔になるか。お客さんの家族の健康が維持向上するか。
でも、これはスローガン。ビジョンではない。
社長なんだから、孫正義さんみたいに「一兆円企業を目指す」みたいな。
あるいは、信長の「天下布武」みたいな、周りが「この人、ちょっとおかしいんじゃないか?」的なものを打ち出した方が方がいいかな。