虹娘と油虫

赤地に黒い点々でおなじみのてんとう虫は、まるいからだに短足のアンコ型。漢字だと天道虫、あるいは虹娘。英語だとLadybug

 

つつくとコロッとなって死んだふりをする愛くるしい小動物だが、野菜に巣食うアブラムシを1100匹も食い散らかす、獰猛な肉食動物である。

 

羽が退化した「飛べないてんとう虫」が、自然界にはまれに存在する。それらの品種改良を重ねた、対アブラムシ用生体農薬たるてんとう虫「テントップ」が、すでに商品化されている。

 

屋外で使うとどこかへ散逸してしまうから、飛ばない彼らはハウス栽培で効果を発揮する。ただ、50匹約5000円、寿命約50日と、コスト的にまだ見合わない。

 

さて、やられっぱなしのアブラムシ。

 

化学農薬に対しては、抗生物質と細菌のように、遺伝子構成を突然変異させ、世代をへて耐性を持ちうる。

 

しかし、天敵にはなぜか未だに食われ放題。

 

アブラムシが、小さい魚が群れを成して大魚に対抗する「スイミー戦略」をもつとも聞かないし、食べられると毒を出すとか、そんな防衛手段も進化させていない。

 

人類は「自然」という神にはあらがえないし、稲造もまた「妻」という絶対者には何の対抗手段も持ちえない。

 

 

油虫にとって、虹娘がそういう存在だと考えればいいのだろうか。