日本語の本とお米

 規模は極小といえど、私も一応は経営者。同種の人々について考えてみる。立派な経営者と呼ばれる人々は、ほぼ例外なく大変な読書家であることに気づく。
 
   まだ始まったばかりとはいえ、経営していると色々と壁にぶち当たる。いったいどうしていいのかわからなくなる時がよくある、というか、いつもそうだ。
 
   目の前の仕事をこなさなければならない社員なら、上司に支持を仰げばなんとかなるかもしれない。しかし、より高位の事業運営という観点では、相談できる人はなかなかいない。
 
   そんなとき、よりしろとなるのは自分が持つ引き出しのみとなる。つまりはそれまでの人生や仕事上の経験と、そして知識とそれに基づいた想像力に他ならない。教養のある人…というより、引き出しの数が多い人は直感力に優れ、常に「なんとかしてやろう」と考えるカードを持っている。
 
   行き詰まる時、壁に当たる時、悩み事が尽きない時、不安で眠れなくなる時…経営者と呼ばれる人々には、こういう負の面を抱えることがかなりあると思う。
 
   多くの成功している経営者は、人一倍仕事もし、知的好奇心も旺盛で、何とか引き出しを増やそうと意識しているわけではなくとも、よく本も読んでいる。
 
   そして、経験とそうやって得た知識と、創造性と最後は根性で、何度も何度も壁を乗り越えている。だから彼らは精神的にもタフだし、人間的な魅力もあれば、謙虚な反面、自信にも満ちている。
 
   起業創業者というのは、いつの時代も最初は大ボラ吹き呼ばわりされてきた。しかし、それを実現してきた経営者は、それをやり遂げるだけのエネルギーと、絶え間無く本を読み続ける飽くなき知的好奇心があったにちがいない。
 
   本が読みたい。もともと本は読む方だけど、今は特に目の前の大きな壁があるから。
 
  幸い、シンガポールの利点は、紀伊国屋書店があること。日本語の本は日本価格の2倍以上もするから、よほどの本でなければ手が出るものではない。しかし日本の大書店並みとはいえないけれど品揃えは豊富で、和英両方手に入る。
 
   早速、年会費30ドルで10%オフになるメンバーズカードをつくった。
 
   ちなみに、紀伊国屋はバンコクやジャカルタなど、日本人駐在員の多そうなアジアの主要都市にある。休日に足を踏み入れたが最後、なかなか抜け出せるものではない。
 
   転じて、日本に帰国し、シンガポールへと戻って来る際には、お米を10キロ程度持ってくる方が多いと聞く。シンガポールで安くて美味しいお米が入手できないためであるが、お米の件は、もう稲造米穀店に任せて欲しい。
 
   何せ冷蔵コンテナで輸入してこっちで精米しているのだし、美味しさは間違いなくクリア...というか、ブレンドしていないから、日本のスーパーで買うより高品質だ。
 
   自宅までの輸送費を考慮しなければ、お米そのものの値段は、実は東京で買うよりも安かったりする。
 
   紀伊国屋さんは「日本語の本を読みたい」という人々の需要を満たし、稲造は「安くて美味しい日本のお米が食べたい」という需要を満たす。
 
   いずれ、あきたこまちだけではなく、つや姫やコシヒカリも揃えて行く。消費者にとって選択肢の多い方が好ましいし、2品種では商品棚がとても寂しいからだ。
 
   ともあれ皆さん、もう重たいお米をスーツケースにいれて、わざわざシンガポールまで持ち帰る必要はありません。稲造にお任せあれ。
 
   で、よかったら、お米に使っていた5キロ10キロの貴重なスペースに、日本語の本を大量に詰めて帰ってきてください。
 
   で、読んだらこっちの古本屋さんに出してもらえれば、私としても大変助かります。(紀伊國屋さん、ごめんなさい)
 
   それがきっと、いずれは稲造米穀店の経営のよりどころになってくれるかも知れませんので。