交通費問題攻略

   零細企業の社長にとって、社員のシンガポール赴任は滞在コストとの戦い。
 
   住宅コストはHDBのシェアでなんとか攻略できるものとして、他の経費はいかほどのものだろうか。
 
   交通費は、バスと電車を利用していれば、月にどんなに利用しても一万円程度。特にバスはどこまでいっても一乗車80円から150円程度のもので、最も安価で便利な交通機関ではある。
 
   本当にシンガポール全島を網の目のようにバス網が覆い、20分に一本はくるのだから便利である。
 
   といえば聞こえはいいものも、ドライバーの運転が急発進急停車急ハンドル当たり前の世界最低ランクで、まともに立ってはいられない。また、「次は何々駅」といったアナウンスもないため、初めて乗る人にはわけがわからないから困ったもんだ。
 
   大阪市営バスは大赤字なのにドライバーの高給ぶりが叩かれていたけど、大阪のバスドライバーがのんびりロバでも引いているように思えるほど、とにかく乗客のことなんて全く考えていないのが中国系のドライバーである。
 
   そのためなのか、多くの日本の人々は
 
  「シンガポールってタクシー安いよねー」
 
とタクシーばかり使う。確かにシンガポールの端から端までいっても、昼間なら3、4000円程度。わたしもバス内で日本人を見かけたのはたったの一度である。
 
    しかし、近距離ならしれたものであるが、これを日々の営業活動で毎日5、6回も使えるだろうか?
 
   零細企業の社長が、社員にそんな贅沢を許すわけがないのである。
 
   シンガポールは車を持つために最低500万円以上の税金を払わなければならず、会社の資本金並みの金を車にどうやって投入しようか、銀行さんがそんなことに融資してくれるのかとなってくる。
 
   答えは一つ。スマホやってると、あまりの乗り心地の悪さに吐き気さえもよおすシンガポールのバスではあるが、駐在員にはこれに慣れてもらうしかないのである。
 
   幸い、次の駅は天井部の電光掲示板に表示される。英語さえ読めれば、行き先はわかる。また、スマホのアプリでシンガポールバス関係のアプリをダウンロードすれば、数百もある路線がどの駅を通過するか、すぐわかるようになっている。慣れるまでが大変だけど。
 
    公共交通機関に乗るためには、電子マネーの入ったスイカカードみたいなものが必要になるが、5000円もいれておけば、どんなに乗っても一ヶ月はそれで大丈夫であろう。
 
   一年後、シンガポールのバスを極めたあなたの会社の駐在員は、戦場で運転されるジープの中でさえも、立っていられるようになるだろう。どんなに劣悪な運転環境でさえも、涼しい顔でスマホをフリックしているに違いない。
 
 ちなみに、電車は東京から横浜くらいの距離で360円くらいだから、東京比でちょっと安い程度か。
 
   浮いた分で、シンガポール滞在中は稲造こまちをよろしくお願いします。
 
結論:
    赴任前、バス以外の交通機関は自腹ね、といっておきましょう。