インド人最強説

 

 電車網にバス網と、公共交通機関の発達したシンガポール。タクシーも安く、半ば必需品である日本とは異なり、自家用車は完全な贅沢品といえる。 

 

 その電車内での風景といえば、57割以上の乗客がスマホをいじくっているのはもはや全世界共通の光景なのではないかと思われる。それでも日本では器用に折りたたみながら日経新聞を読むサラリーマンがいたり、文庫本を読んだりする人がちらほら見受けられる。

 

  シンガポールでは、そのように紙媒体での活字を読む人は100人に1人もいるかどうか。みんなスマホで何をしているのだろう...とチラリとのぞいてみる。フェイスブック、ゲーム、ライン...とまあ、日本同様。スマホの発達で、文化的にも急速にボーダーラインが失われているような気がする。日本でもシンガポールでも、人種を問わず同じことをやっているんだから。

  Ibookkindleで本を読んでいる人はほとんどいないと思う。

 

  なぜ活字を読まない、馬鹿になるぞ、思考回路がおかしくなるぞと日本の本大好きおじさんみたいな人が、シンガポールで説教しているのかどうかは分からない。

 けれど、本を読まなくなったとはいえ、ポケットサイズの文庫本が流通しているせいか、日本人には本を読む人の割合がかなり多いようだ。(シンガポール人は英語をほぼ100%理解するイギリス文化圏であるがゆえに、米英から直輸入されたでかいペーパーバックサイズが主流)

 

  シンガポールには中国インド系が圧倒的多数を占めるのであるが、インド人は車内で特にうるさい。何がうるさいかって、周りに一切遠慮しない馬鹿でかい声で電話をかけているのは、たいていがインド人。手短に話せばいいものを、10分でも20分でも話し続けるやつがいる。また、友達同士の群集で乗ってきて、周囲にまるで誰もいないかのようにガヤガヤやるのもインド人。

 

  不思議と中国系にこういう人間は少ないのだけれど、中国人はゲームやテレビを、イヤホンもつけないで大音量で見ている連中の割合が多い。パズルゲームや車のゲームをやっていて、ガチャーンガチャーンと音量も下げずに響かせているのだから、その厚顔無恥ぶりは凄まじい。これ、上海とか本土行ったらもっと凄いのだろうか?

 

  もっとも、車内における携帯マナーは、15年位前の日本でも盛んにいわれていた。現在、東京や大阪の電車内で中国インド系のような人々を見ることはまずなくなってしまったけれど、このへんのマナー意識は、やはり民族的に見ても高いものがあるのだろう。

 欧米の電車内がどうかは分からないけど、どんな民族もインド人よりははるかにマシだと思う。