流れ星銀と釣りキチ三平の舞台・秋田県栗駒山系

 みなさま、秋田県の正確な位置はご存知でしょうか!? 

 

 本州の北のはずれで、北海道のちょっと南です。東京の方には、島根県と鳥取県はどっちが西だっけ?と同じ感覚かもしれませんし、愛媛と徳島はどっちが大阪よりだどっちだってのは、いささか難問です。

 

 過疎県の切なさ。栃木と群馬の位置関係も微妙だし…。まぁそんなことより、そのあきたこまちのうまさは、世界に誇るべき秋田県産であります。

 

 秋田と岩手をへだてるのが奥羽山脈です。いちばん北の青森県側は「八甲田山」で有名なあたりで、南が福島県は野口英世が生まれた猪苗代湖あたりまで延びている、まさに東北の背骨、いえ、日本アルプスが日本の背骨なら、奥羽山脈は日本の首の骨ともいうべき大山脈です。

 

 稲造米穀店取扱、秋田県平鹿・十文字産のあきたこまちは、その奥羽山脈の王者ともいうべき、栗駒山を水源地としています。

 秋田県横手市と水源地を結ぶのは、成瀬川という清流です。あまりにも豊かな大自然は、かつて二人の”巨匠”と呼ばれる漫画家を生みました。

 

 右の写真は、東成瀬村にあった看板ですが、「銀牙~流れ星銀~」の高橋よしひろさん。左の写真が、お隣の横手市増田町出身「釣りキチ三平」の矢口高雄さんです。

 

 どちらの漫画も秋田県の、本当にこの水源地のあたりが舞台です。ほんとうに仙人がでてきそうな、原始的な山林が広がっています。

 

 この辺はツキノワグマがたくさんいて、昔は鉄砲を担いだマタギが、クマ狩りをなりわいにしていました。それを助けたのが「熊犬」と呼ばれる猟犬です。銀牙シリーズの主人公たちは、その熊犬の一族になります。

 

 「釣りキチ三平」はほとんど秋田県を象徴するキャラクターになっています。秋田市内には「三平バス」と呼ばれる、三平をペイントした派手なバスまで走っています。

栗駒山山頂付近の展望 写真で見ると、一見日本のどこにでもありそうな大自然ですが…
栗駒山山頂付近の展望 写真で見ると、一見日本のどこにでもありそうな大自然ですが…

 秋田県・岩手県の県境である山頂付近には、なんと温泉がわいています。1000メートル近く登って、毎日多くの方が訪れるようです。宿泊施設もありますので、紅葉シーズンはにぎわうでしょうね。

  一番右のような「源流」と呼ばれる小さな流れが、集まって左のような「上流」になっていく様子。釣りキチ三平がイワナやヤマメを釣り上げていそうな清流ですが、実際、数多くの釣り人が竿を振り振り、疑似餌で魚を釣りあげています。

 「仙人水」と銘打たれた湧水のそばにあった看板。

 

 水質調査によると…とにかく、全ての値が基準値を大きく下回っていることが分かります。

 

 色度5度以下で正常なのに、05度未満というのは、相当にきれいだということなのでしょう。ミネラル値の分析も見てみたいですが、南アルプスの天然水には負けてないような気がします。

 

 飲んでみると…冷たくて美味しい!としかいいようがありませんが、消化器系がこの聖水によって潤され、喜んでいるような感覚とでも例えればいいのでしょうか。

 川を下っていくと、それを水源とした田んぼがあります。

 

 写真は、モミを自然乾燥させている風景です。うまくいけば2週間くらいで乾燥し、おひさまの匂いがする大変おいしいおコメができます。ただし、雨り当たったりすると乾燥に失敗し、保存もままならないおコメになるのだとか。

 

 農家さんの場合、自分で食べるおコメは天日干し、売るおコメは乾燥機にかけることが多いようです。

 あの山の向こうが水源地です。あそこで名もない赤ちゃん川が成瀬川となり、支流を集めて大人の成瀬川になり、やがて秋田県を縦断する雄物川へと合流します。出世魚みたいですね。

  ちなみに、この辺は寒暖の差が激しいため、果樹栽培も非常に盛んです。

 

 特産品としては、リンゴ、ブドウ、そしてコメです。夏は暑く、冬は寒い。豪雪地帯で、昼夜の寒暖差も激しい。南の山形県に非常によく似た気候をしているのでしょう。

 

 おコメの甘さは、この昼夜の寒暖差で決まるといわれています。夜、気温が落ちると、実がより深く呼吸するのだそうです。エネルギーとなる糖分を根から吸いあげることで、コメに甘みが加わるということです。

 

 日本最高…ということは世界最高の称号をほしいままにする新潟県魚沼地方も、山間の豪雪地帯です。

 

 奥羽山脈をまたいだ岩手県花巻市や平泉町も、北上川を中心にして山間にできた長大な盆地です。水や土壌、そして気候条件等、

 

 「美味しいお米を生産できる条件」

 

というのがあります。

 

 ゆえに、品種は同じでも、産地によって食味が異なるといわれるゆえんです。

 

 豪州産やベトナム産、あるいは米国産あきたこまちと、激しい昼夜の寒暖差やヤマメの泳ぐ清流から生産されるあきたこまちは、全く異なった価値を持つのでありました。

 

 あきたこまちは、秋田で作るからこそ、あきたこまちなんです。