Q&A ご飯とお米の全疑問

 

 

Q&A ご飯とお米の全疑問 講談社ブルーバックス 高橋素子著

 

Q1:

 稲の原産地は、インドアッサム地方と中国南西部の国境付近(ブータン南のインドアッサムから、ミャンマー北部、中国四川省にかけての一帯)

 

 人間が栽培を始めたのは、ジャポニカ米がBC5000年前に揚子江中流域で開始、インディカ米はBC2000年前に東南アジアで開始

 

Q2:

 野生の稲には、自然に穂が落ちる脱粒性と、十分な酸素、水、養分が与えられても容易に発芽しない休眠性が備わっている。鳥に食べられる前に地面に落ち、穂がいっぺんに発芽するのを防ぐために、こうした性質が備わっていた。

 

 これらは人間にとって好ましくない性質であり、脱粒性がなく、条件がそろえばいっぺんに発芽する稲が選択され、育成栽培されるようになったようだ。

 

Q3:

 ジャポニカ米は寒さに強いが、インディカ米は弱いため、熱帯地域においてはインディカ米が生産されている。中国では、揚子江を境にして、南部はインディカ米、北部はジャポニカ米が生産されている。

 

Q4:

 ジャポニカ米とインディカ米を交配させて実った稲から取れる種子は発芽できない。ただし、一部の熱帯ジャポニカと呼ばれる種のものには、発芽できるものもある。これらはインドネシアやフィリピンで栽培されており、米粒が大きい、草丈が高いなどの特徴がある。

 

Q5:

 世界最古の稲作遺跡は、長江下流域の中国せっこう省にある。日本に稲作が伝わったのはBC1500年前後。岡山県で陸稲の遺跡が見つかっている。最古の水稲栽培は、BC500年ごろ九州北部で始まったとされる。

 

 伝播ルートは3つ。1.朝鮮半島経由 2.長江下流域からダイレクトに九州へ 3.台湾秋縄経由九州行き。

 

 数百年のち、青森でも水稲栽培が行われるようになった。

 

 稲作の始まりが「持つものと持たざるもの」を生み、貧富の格差を作り、村→国→統一国家を生み出すきっかけになったとされる。

 

Q6:

 カビが原因でなる稲の病気・いもち病に対しては、陸稲の方が強い(育てやすい)。しかし、陸稲と水稲では、収量が約2倍もことなる。また、水稲のほうが粘りがあって食味がよいとされる。

 

Q7:

 稲の栽培方法には、直播と苗の移植の2種類がある。日本でも当初は直播によって行われていたが、奈良時代からは苗移植が中心になった。

 

 種子の発芽には適度な酸素、水分、温度が必要であり、直播は水中で酸素不足によって発芽しにくい。土中にもぐっても同じ。発芽しても雑草の種子により、生育が阻害されてしまう。苗を確実に発芽させるため、移植が始まった。

 

Q8:

 稲の冷害被害は二つに分類される。1つは、低温によりおしべの花粉が障害を受けて受精能力がなくなる。もう1つは、低温や日照不足により生育そのものが遅れること。

 

 出穂期の10日前、花粉ができる頃に19度以下の気温が続くと、正常な花粉が作られない。また、出穂して花が咲く頃に19度以下の気温にさらされると、花が十分に咲かない、おしべが殻を破れずに花粉が飛ばないなどの障害が出る。